社長と幹部の思い込みで誤った意思決定


あなたは日々、どんな判断や意思決定

をされてますか?


以前、私がコンサルティングに入って

いた、ある会社さんの出来事です。

 

マーケティング部に配属された新人社員

Aさんは、自分の会社の社長を、新聞

や雑誌などのメディアに取り上げて

もらいたいと考えました。

 

そこでいろいろと企画を考えて

プレスリリースを20社近くのメディア

に郵送し、電話やフォローメールなどを

したそうです。

 

すると、その中のある新聞社1社から、

「ぜひ御社の社長を取材させてください」

と連絡があったそうなんですね。

 

それと同時に、有料の記事広告の

逆提案もありました。

 

その時、読者数や読者層などの

詳細データや、立派な資料をもらった

そうです。

 

これはよくある話ですね。

 

ですが、その有料記事広告の値段も

安くなく、たとえその読者数の1%

が見たとしても、

 

対象客でないと実際に問合せが

あるかどうかは別の話です。

 

そこで、その社員さんは、

「ウチは特殊商品で、一般消費者向け

ではないため、費用対効果がどれだけ

見込めるか分かりません。

 

既に、無料で取材に来てくれると

言っているので、まずはそれだけに

して、有料の記事広告は今回、見送り

ましょう」

 

と社長とNo2の幹部に意見を言いました。

 

すると、幹部は、こう言ったそうです。

 

「つべこべ言うな!

あの新聞だったらやるべきだ。

 

社長は、やると言ったらやるんだ!」

 

そう怒鳴って、有料記事広告をやること

に決定。

 

社長は、黙ったまま、何も言わなかった

そうです。

 

そして、数週間後、その新聞に社長の

記事広告が大きく取り上げられました。

 

結果は、どうだったと思いますか?

 

問合せ、ゼロ。

 

しかもHPのアクセスも、その

1週間を分析しても、新規アクセスは

通常通りの横ばいで変わっていません。

 

元々、そのHPのアクセス数は

少ないので、分析結果が間違っている

訳ではなさそうです。

 

その後、幹部も社長も、あの新聞社

はダメだ、お金を無駄にしたと

文句たらたら。

 

「だから、やめといた方がいいと

言ってたのに・・・」と社員。

 

それどころか、

「私は、本当はどうしようか迷っていた

のに、あの社員Aがどうしてもやりたい

と言うから、仕方なくやったんだ」

 

と、幹部は、その新人社員の責任に

したのです。

 

人は、誰でも忘れることはあります。

 

ましてや、立場からくる多忙さで

忘れることもあるでしょう。

 

当然、その社員は、

「私はやりたいなんて言っていません。

私は、やめた方がいいと言ったのです」

と憤慨しましたが、

 

幹部は、あの社員はダメだと決め

付けて、話しを聞こうとしなかった

そうです。

 

たまたま、その有料の記事広告は

やるべきではないと、その社員Aの

発言を聞いていた先輩社員が、なだめて

社員Aは、冷静さを取り戻しました。

 

ところで他の社員さんにも、ヒアリング

してみると、このようなケースはよく

あるそうです。

 

その幹部は、何でも自分の思い通り

にならないと気が済まず、ちょっと

でも自分の考えと違うことを言うと、

高圧的に怒りだすクセがあるそうです。

 

それによって、何人もの社員と

衝突し、辞めていったり、やる気が

なくなっているとのこと。

 

ですが本人の自覚はありません。

 

むしろ、あいつらのメンタルが

弱いんだぐらいの感覚だそうです。

 

社長は、たまに幹部の度が過ぎると、

その時は注意しますが、基本的に

信じきっている状態です。

 

社長や幹部は、よく、

ウチの社員はやる気がなくて、

言われたことしかやらない。

 

反発するし、いろいろ教えて

やっても、辞めて裏切るだけだ

と愚痴をこぼしています。

 

ですが、このような状態で、

現実を見なければ、そうなっても

仕方ないですよね。

 

このケースでは、どんな思い込み

(認知バイアス・メンタルブロック)

で意思決定を誤らせているのでしょうか?

 

◆幹部

  • ある程度の規模の新聞社だから

読者数も多いし、問合せも来て

広告費をペイできるはずだ。

 

  • 自分は正しい、人は間違っている。

新人の言うことなんか間違って

いるに決まっている。

 

◆社長

  • 幹部が、その新聞社への記事広告

は費用対効果はあると判断したの

だから、そうに違いない。

 

  • 幹部が、無駄な広告費を使わせた

のは、新人Aだと言うのだから、

そうなんだろう。

 

  • 幹部が、新人Aはダメだと言うの

なら、そうなんだろう。

 

この話しを読んで、あなたはどう感じ

ましたか?

 

実は、このような話は、どこの会社

でも大なり小なり、起きているのが

現状です。

 

あの人が言うのなら、たぶん、

そうなんだろう・・・

 

これは、マネージャーや先輩社員

なども部下に対して、無意識に

責任転嫁をしていることがよく

あります。

 

誰でも、自分は正しいと思ってるし、

変な責任をかけられたくないです

からね。

 

その新人・部下が、先輩・上司に

相談せずに勝手にやったのなら、

そう言いたい気持ちは分かります。

 

ですが、先輩・上司が承認して、

うまくいかなかったことは、

誰の責任なんでしょうか?

 

実際の現場では、立場の力関係で、

全体の雰囲気に呑まれて、弱い立場

の人に責任を押し付けているケース

がよくあります。

 

あれ?その新人や部下を指導・管理

してるのは誰でしたっけ?

 

そのように、疑問を持つことも

重要ではないでしょか。

 

年齢や立場が上がるほど、自分の

思い込みによる意思決定や判断を

見誤らないように、公平な目を

持つよう心がけたいですよね。

 

セルフイメージコンサルタント

岡崎哲也

 

PS.以前、ある雑誌社が私のHPを見て、

「思い込み(認知バイアス)による

誤った意思決定」というテーマで

執筆依頼がありました。

 

結果的に、納期などの関係もあり、

お断りさせて頂きましたが、今回は、

そのテーマを参考に書かせて頂き

ました。お役に立ちましたか?

 

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