■ 1.【日常の違和感・痛みの自覚】
「部下に気を使ってしまい、思ったように指示が出せない」
「嫌われるのが怖くて、重要な仕事を自分で抱え込んでしまう」
日々、組織を率いるリーダーとして、そんなもどかしさを感じたことはありませんか?
多くの経営者や幹部は、表向きは体格も良くエネルギッシュで自信満々に見えても、内側では「自分の発言が周囲にどう思われているか」という過剰な不安に苛まれています。
仕事を任せられずに業務を一人で抱え込み、心身の負担が限界に達して「会社に行きたくない」と感じるほどの痛みを抱えているケースは少なくありません。
「思ったことが言えない」という表面的な行動のブレーキの背景には、自分でも気づいていない根古い「自信のなさ」が隠されています。
■ 2.【セッション事例】
(許可を得て、本人が特定できないように加工してご紹介します)
● 「厳しすぎる」の批判から自信を失い、指示が出せなくなった50代経営幹部Aさん
大手企業の役員・経営幹部として活躍するAさんは、「部下を叱ったり仕事を任せたりするとき、気を使いすぎて思ったように言えない。
この悩みはメンタルブロックを外すことで解消できないか」とメールで本音を打ち明けてくれました。
その結果、すべての実務を自分で抱え込むことになり、膨大な仕事量に圧迫されて「たまに会社に行きたくなくなる」というお困りごとが起きていたのです。
実際にセッションへ来られたAさんは、体格がよく気合いの入った、一見すると自信満々に見える方でした。
しかし、いつからその変化が起きたのかを紐解くと、大きな転換点が見えてきました。
「元々はガンガン言っていたのですが、およそ7年前頃から、周りからパワハラとか厳しすぎると言われ始めてからです」
それ以来、Aさんは部下を前にすると「嫌われたくない。
嫌われると組織をスムーズに回せなくなる」という強い恐怖に囚われるようになりました。
さらに、「もし部下に嫌われて組織を回せなかったら、どう感じますか?」と問いかけると、Aさんは渋い表情でこう答えました。
「うーん、凹むというか、自分が役に立たないというか、自分に自信がなくなります。
あのとき周りから批判されて、自分が悪かったのかなと、心の奥底で自信を失っていたのかもしれません」
Aさんはこれまで、自信を付けるためにたくさんの本を読んだり、セミナーにも参加したりして必死に努力してきたそうです。
しかし、「自信がない感覚」が具体的にどのようなものなのか、自分自身でもはっきりと掴めずにいました。
一見、現在の「気を使いすぎる」という悩みは、マネジメントの手法やコミュニケーションスキルの問題に見えます。
しかし本当の原因は、7年前の批判によってAさんの潜在意識に埋め込まれた【自信がない】というメンタルブロック(心の壁)だったのです。
セッションでは、無意識の奥深くに隠れたAさんの【自信がない】という感覚の構成要素を丁寧に分解していきました。
その結果、Aさんは「成果を出す自分には価値があるが、成果を出さない自分には価値がない」という強固な『条件付き無価値観』をはじめとする、3つのメンタルブロックを抱えていることが判明したのです。
これらを特定し、解放するワークを行いました。
数日後、Aさんから劇的な変化を報告するメールが届きました。
「あれほど胸に引っかかっていた『自信がない』という感覚を感じなくなりました。
部下に対して変に気を使うこともなくなり、思ったことをその場でまっすぐ伝えられています」
仕事を適切に任せられるようになったことで、Aさんの過労状態は一気に解消されました。
当初恐れていた「嫌われて組織が回らなくなる」という事態が起きるどころか、Aさんが本来の自信と内側の安定感を取り戻したことで、部下や周囲からの信頼は一段と強固になり、組織は驚くほどスムーズに回り始めたのです。
「今は、チーム全体でさらに大きな目標を掲げ、新しいプロジェクトに全員でチャレンジしています」と、メールの最後はエネルギーに満ちあふれた言葉で結ばれていました。
■ 3.【メンタルブロックの『利得』と構造の反転】
思ったことを言わずに我慢したり、仕事を一人で抱え込んで疲弊したりすることは、ビジネスにおいて明らかなマイナスです。
しかし私たちの潜在意識は、あえて「自信がない状態」を作り出すことで、自分を守ろうとする別の目的を頑なに維持しています。
Aさんの場合、部下に気を使い、発言を抑えて「自信がないリーダー」でいることによって、「二度とパワハラだと批判されないようにする」「部下から嫌われて孤立する痛みを未然に防ぐ」という不快な安心感(利得)を無意識に守っていたのです。
この無意識の奥で起きている仕組みは、以下の多重構造になっています。
[「自信のなさ」を作り出す心理的要因の多重構造]
| 階層 | 構造の名称 | 具体的な状態・心の声 |
| 【表層】 | 表面上の悩み | 「部下に気を使いすぎて思ったように言えない」「仕事を抱え込んで会社に行きたくなくなる」と悩む。 |
| 【1層目】 | 心のブレーキ(制限) | 「嫌われたらおしまいだ」「厳しく言うとまたパワハラだと責められる」という思い込み。 |
| 【2層目】 | 無意識の防衛(利得) | 主張を引っ込め、自信のない状態を維持することで、他者からの批判や拒絶に晒されるリスクを徹底的に回避し、自分のプライドを守ろうとする心の働き。 |
| 【3層目】 | 根本にある痛みの記憶 | 過去に周囲から「厳しすぎる」と一斉に批判された記憶や、自分のマネジメントを否定されて組織の中で孤立した原体験。 |
■ 4.【なぜ頭で分かっても変われないのか?】
多くのリーダーは、「もっと毅然とした態度で部下を指導すべきだ」「適切に権限移譲をして組織を動かさなければならない」と頭(理性)では十分に理解しています。
しかし、コーチングの本を読んだり、話し方セミナーに通ったりして、いくら表面的なノウハウを学んでも、いざ部下を前にすると言葉が詰まってしまいます。
それは、あなたの潜在意識にある【自信がない】というメンタルブロックが、防衛のために強力な抵抗を示しているからです。
「自信がない」という感情は、単一の悩みではありません。
自己否定、劣等感、無価値観といった、全く性質の異なる複数のブロックが強固なスクラムを組んであなたの中に居座っています。
潜在意識の深い領域にあるこれらは、普段の意識状態ではなかなか自覚することができません。
世間一般では、深刻な頭痛の原因が「ストレス、眼精疲労、かみ合わせ、脳の疾患」など多岐にわたるにもかかわらず、すべてを市販の頭痛薬だけで一時しのぎしようとして慢性化させてしまうケースが多々あります。
看護師や検査技師といった医療関係者でさえ、この罠に陥ってしまうと言われています。
これと全く同じように、一部のブロックだけを外したり、表面的なノウハウという「市販の頭痛薬」をいくら使い続けても、別のブロックが「何とかして欲しい」と新たな心の痛みとして訴えかけてくるため、すぐに元の状態に逆戻りしてしまいます。
問題構造の全体像を無視したまま自分を責めるループに陥ることで、さらに自己否定が強まり、自信を喪失していくという悪循環を引き起こしてしまうのです。
■ 5.【セルフチェック】
あなたが日々の業務で感じている「自信のなさ」の正体を突き止めるため、まずはその構成要素を細かく分解することが重要です。
自分自身がどの反応パターンに囚われているのか、現在の状態を客観的に自覚することからすべてが始まります。
日頃の心のクセや、指示を出す瞬間の胸のザワつきに意識の焦点を当て、以下の項目をチェックしてみてください。
[チェック1:あなたの「自信のなさ」を形成する10種類のブロック]
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[ ] 【私はOKと感じられない(自己肯定感)】:自分の存在や決断に根本的なOKが出せず、常に周囲の顔色を伺ってしまう
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[ ] 【私はダメ(自己否定)】:何かがうまくいかないと、すぐに「自分の能力が低いせいだ」と自分を責めてしまう
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[ ] 【私は重要ではない・大切にされていない(自己重要感)】:組織の中で自分の意見や存在が軽んじられているように感じる
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[ ] 【私は価値が無い(無価値観)】:存在しているだけで申し訳ないような、根拠のない空虚感を抱えている
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[ ] 【成果を出す私には価値があるが、成果を出さない私には価値がない(条件付き無価値観)】:常に実績を出し続けていないと居場所がなくなるような強迫観念があり、立ち止まるのが怖い
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[ ] 【私は人よりも劣っている(劣等感)】:他社の優秀な経営者や同僚と比較して、自分の足りない部分ばかりが目につく
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[ ] 【私は力が無い・どうすることもできない(無力感)】:状況を自分の力で変えることができないと諦めてしまっている
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[ ] 【私はできない・達成できない(自己効力感)】:新しい挑戦や目標を前にすると、ハナから「自分には無理だ」と感じる
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[ ] 【私は完璧ではない・何かが足りない(不完全感・欠乏感)】:どれだけ知識やスキルを身につけても「まだ足りない」と感じる
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[ ] 【自分を責める(自責)・私は悪い(罪悪感)】:過去の過ちや失敗をいつまでも引きずり、自分で自分の心を傷つけ続けている
[チェック2:あなたの「言いたいことが言えない原因」を切り分ける]
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[ ] 過去の批判のトラウマ:過去に「パワハラ」「厳しすぎる」と指摘されたことがあり、それ以来伝えるのが怖くなった
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[ ] 孤独への恐怖:部下に嫌われて反発されたり、組織の中で孤立して誰も付いてこなくなる状況を恐れている
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[ ] 過度な抱え込み:人に仕事を任せるくらいなら、自分が過労になってでもすべてを引き受けた方が波風が立たないと思っている
(解説:不眠の原因に「生理的要因」や「心理的要因」があるように、リーダーの「自信のなさ」も、これら複数のメンタルブロックが複雑に絡み合った複合的な要因によって引き起こされています。
多くの専門家でさえ、この悩みをひとくくりに「自信を持ちましょう」と片付けてしまいますが、それでは根本的な解決にはなりません。
大切なのは、自分の内側にあるブレーキの正体を細かく分解して特定することです。
問題構造や信念構造の全体像を掴むことができれば、長年あなたを縛ってきた呪縛を外す道は必ず開かれます)
■ 6.【本来の自分へ戻るステップ】
● 役割や成果という「条件」から解放され、揺るぎない心の安定感を取り戻す
セッションを通じて、自分を縛り付けていた「条件付き無価値観」や、他者からの評価に依存していた複数のブロックを解除したとき、経営者たちの心身には劇的な変化が起こります。
「成果を出し続けなければ自分には価値がない」という過酷な思い込みを手放したとき、他人の目を恐れて虚勢を張る必要はなくなります。
内側に本物の安心感と安定感が育まれることで、リーダーとしての真の器が完成するのです。
無駄な自責や、嫌われないための過剰な気遣いに浪費されていた莫大なエネルギーが解放された組織では、経営者が思ったことをその場でまっすぐ、適切な言葉で伝えられるようになります。
「変な気負いが消えたことで、部下とも腹を割って本音で話せるようになりました。
自分がコントロールを手放して仕事を任せるほど、社員たちが主体性を発揮してイキイキと働き始め、組織全体のパフォーマンスが格段に向上しています」と、本来のエネルギーに満ちたチャレンジへと舵を切れるようになっていくのです。
自分を守るための防衛や葛藤に費やしていたパワーをすべて解放したとき、あなたは本来持っている圧倒的な実力を発揮し、真に望む未来の創造へとそのエネルギーを集中させることができるようになります。
■ 7.【終わらせる分岐点】
部下に気を使い、言いたいことも言えずに一人で仕事を抱え込む時間を終わらせるには、まず「自分の自信のなさが、どのブロックによって作られているのか」を知り、その問題構造の全体像を掴む必要があります。
他人の評価に一喜一憂するループを抜け出し、内側にある本来の強さを取り戻すことこそが、組織を力強く牽引し本領を発揮するための分岐点です。
ここから先、その心のブレーキ、メンタルブロックを緩めていくルートは2つあります。
もし、ご自身のペースで、自分の心の中にある「メンタルブロック24種類心のクセ」のパターンを整理したい方は、以下のステップを読み進めてみてください。
💡 じっくり自分で整理を進めたい方へ:「24種類の心のクセ」はこちら
そして、もし「頭では分かっているけど、どうしても自分では解決できない」「なぜなんだと自分を責めるループから一気に抜け出し、本来の自分を取り戻して実力を発揮したい」と感じる方は、安心してお問合せください。
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岡崎哲也
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