■ 1.【日常の違和感・痛みの自覚】
「重要な経営判断を下すとき、周囲の意見に引っ張られて自分の意思とは違う決断をしてしまう」
そんなもどかしさを感じるのは、あなたの決断力が足りないからではなく、潜在意識にある「他人に主導権を握られてしまう」メンタルブロックが原因です。
他人の評価や反発を恐れて無意識に主導権を譲ってしまう心のクセを外すことで、他者に振り回されない、より自由でクリアな自分本来の経営判断ができるようになります。
■ 2.【セッション事例】
● 50代経営者の「他人に振り回される」心のクセ
(許可を得て、本人が特定できないように加工してご紹介します)
「経営判断で見極めたい重要案件があるので、手伝ってほしい」。
ある会社の代表を務めるAさんは、席に着くなり、カバンから取り出したノートをビリビリと破り、紙に『〇〇の件』と書き始めました。
そして、その紙を左手に持ち、右腕を前方に伸ばして「この腕を上から押してほしい」と言うのです。
促されるままに腕を軽く押すと、Aさんは「なるほど、このくらいか」と呟きました。
何をしているのか尋ねると、「これは筋反射テスト(オーリングテスト)といって、身体の反応でYESかNOかを見極めているんです。
これで重要な経営判断をしているんですよ」と真剣な表情で教えてくれました。
著名な協会の本に書かれているから間違いない、と信じ込んでいるAさんに、私は一つの事実を伝えました。
「この方法だと、手に持っている紙の中身が自分で見えているため、本人の意識(思い込み)が強く影響してしまいます。
無意識に腕に力を入れたり抜いたりしてしまうので、正確な判断はできませんよ」
Aさんは「え?」と驚いた表情を浮かべました。
そこで、本人の意識に影響されないテストを提案しました。
10枚の折りたたんだ紙を用意し、5枚にはAさんの好きな言葉(成功、喜び、光など)、残りの5枚には嫌いな言葉(失敗、恐怖、悪魔など)を書き、中身が一切わからないようにシャッフルしてテストを行ったのです。
確率としては50%、5枚は当たって当然の検証です。
しかし結果は、好きな言葉のときに腕の力が抜け、嫌いな言葉のときに力が入るなど、的中したのはわずか3枚。
「全然当たってないじゃん!」と、Aさんと二人で思わず大笑いしてしまいました。
凄腕の経営者であるAさんが、なぜそこまでして「客観的な正解」を外の手段に求めたくなったのか。
そこには、誰にも言えないトップとしての深い孤独とプレッシャーがありました。
場が和んだところで理由を深く問いかけると、Aさんは直近の経営会議での出来事を話し始めました。
「大口の新規取引の問い合わせがあった際、私は『リスクがあるからもっと調べてくれ』と言ったんです。
しかし、幹部が『絶対に受注しましょう』と言い張るので、最後は任せてしまいました。
案の定、後から大きなトラブルに発展したんです」
また別の機会では、販売キャンペーンの企画において、Aさんの提案に対して幹部から反発が起き、意見が割れて議論が停滞。
そうしている間に、競合他社に酷似したキャンペーンを先に打たれ、市場への出遅れを許してしまったそうです。
「Aさん、もしかして日常的に『他人に振り回されて、自分の思うように物事が進まない感覚』がありませんか?」
そう尋ねると、Aさんはハッとした表情で「それは、確かにある」と認めました。
幹部とのやり取りだけでなく、社員、取引先、顧客、さらには家族に対しても、常に周囲に振り回される感覚を抱えていたのです。
経営会議のとき、幹部に強く主張されて「じゃあ任せよう」と引いてしまった瞬間、Aさんの心の中ではどのような感情が動いていたのでしょうか。
「幹部がそこまで言うなら顔を潰したくないし、社長として器が大きいと見られたかった。
要するに、社内でもめたくない、嫌われたくない気持ちがある気がする」
周囲によく見られたい、嫌われたくないから自分が引いて丸く収めようとする。
この「他人に主導権を渡してしまう」心のクセの原形を探るため、Aさんの幼少期の環境へ意識を向けてもらいました。
Aさんの両親は世間体を過剰に気にするタイプで、幼い頃から「あれはダメ、こうしなさい、早くしなさい」と常に価値観を押し付けられて育ったそうです。
特に小学5年生のとき、地域で楽しく続けていた野球クラブを、両親から「そんな成績では良い学校に行けない」と本人の意思を一切無視して強制的に辞めさせられ、塾へ行かされた原体験がありました。
「仲の良かった友達と引き離されて、本当に悔しかった」と、Aさんは当時の痛みを語ってくれました。
子供の頃から、自分の考えよりも親の言うことが絶対であり、親の価値観に振り回され続けてきた環境。
この時に刻まれた「自分の意見を通すと衝突が起きる」「相手に従わなければ居場所を失う」という痛みの記憶が、大人になった今、組織の中で「他人に振り回される」という強固なメンタルブロックを形作っていたのです。
複数回のセッションを通じて、この根本にあるメンタルブロックを丁寧に解放していきました。
その後、Aさんからは見違えるような報告をいただきました。
「経営会議の場で、幹部や取引先の意見に対して過剰にザワつく感覚が綺麗に消えました。
相手の感情に飲み込まれることなく、より自由で視野の広い、クリアな思考で自分本来の経営判断ができるようになりました」と、晴れやかな笑顔を見せてくださいました。
■ 3.【メンタルブロックの『多重構造』と『利得』】
どれだけビジネススキルやロジカルシンキングを学んでも決断がブレてしまうのは、私たちの潜在意識の奥で、問題が以下の「多重構造」になっているからです。
[「他人に振り回される」経営判断の多重構造]
| 階層 | 構造の名称 | 具体的な状態・心の声 |
| 【表層】 | 表面上の悩み | 「重要な経営判断で幹部に押し切られてしまう」「周囲に振り回されてクリアな意思決定ができない」と悩む。 |
| 【1層目】 | 心のブレーキ(制限) | 「自分の意見を押し通すともめる」「反発されたら嫌われて誰も付いてこなくなる」という思い込み。 |
| 【2層目】 | 無意識の防衛(利得) | 相手の意見を容認して自分が引くことで、他者からの批判や拒絶に晒される恐怖を未然に防ぎ、社内の波風を立てずに自分の安全を守ろうとする心の働き。 |
| 【3層目】 | 根本にある痛みの記憶 | 幼少期に自分の「野球を続けたい」という意志を親に完全に否定され、力づくで従わされて無力感と悔しさを味わった原体験。 |
この構造が維持されてしまう理由は、潜在意識が「他人に主導権を譲る状態」をあえて続けることで、自分を守ろうとする別の目的(利得)を頑なに守っているからです。
Aさんの場合、自分が引くことで「会議での衝突を回避する」「物分かりの良い社長というポジションを守る」という無意識のメリット(利得)を得ていました。
つまり、他人に振り回される損失を引き受ける代わりに、3層目にある「拒絶される圧倒的な痛み」から自分の心を必死に守る防衛本能が働いていたのです。
■ 4.【本来の自分へ戻るステップ&終わらせる分岐点】
幹部や周囲に「振り回される感覚」を持ったまま、あなたはこれからも重要な経営判断を下し続けますか?
もし、Aさんのように「嫌われたくないから引いてしまう」「顔色が気になって決断が鈍る」というザワつきがあるなら、それはあなたの資質不足ではなく、過去の記憶が作り出しているメンタルブロックです。
周囲への過剰な恐怖を解放し、他人の評価に一喜一憂するループを終わらせること。
それこそが、無駄な葛藤からエネルギーを解放し、リーダーとしての真の軸を取り戻すための唯一の分岐点です。
ここから先、その心のブレーキ、メンタルブロックを緩めていくルートは2つあります。
もし、ご自身のペースで、自分の心の中にある「メンタルブロック24種類心のクセ」のパターンを整理したい方は、以下のステップを読み進めてみてください。
💡 じっくり自分で整理を進めたい方へ:「24種類の心のクセ」はこちら
そして、もし「頭では分かっているけど、どうしても自分では解決できない」「なぜなんだと自分を責めるループから一気に抜け出し、本来の自分を取り戻して実力を発揮したい」と感じる方は、安心してお問合せください。
あなたを責めたり、リーダーの資質をジャッジすることはありません。
個人情報や相談内容は守秘義務ですので、ご安心ください。
セルフイメージコンサルタント
岡崎哲也
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