あなたのパワーの原動力は
何ですか?
人によっては、劣等感の悔しさ
をバネに頑張っていることに
気付いてないこともあるようです。
以前、60代、社員10人ほどの
経営者Aさんから、こんなご相談
がありました。
(許可を得て、本人が特定できない
ように加工してご紹介します)
「仕事で、いい流れがきてる時も
あるのですが、次々にいろいろな
トラブルが起きています。
もしかしたら自分でうまくいか
ないようにしているのかもしれ
ないと感じ始めました。
このようなことはメンタルブロック
を外すことで解消できる
のでしょうか?」
そこで私は、
「今起きている全てのトラブルを
メンタルブロックを外すだけで
解消できるわけではありません。
ですが心理的に、自分でうまく
いかないようにしているトラブルで
あれば、対話しながら原因を見つけて
メンタルブロックを外すことで解消
できますよ」
とお伝えさせて頂きました。
その経営者Aさんは、アイデアと
パワーがあり、ある業界をけん引
してきたそうです。
少し話すと「わっはっはっ!」と
よく笑い、ユニークさと豪快さを
感じさせる方でした。
そこで、たとえば、どんなトラブル
がよく起きているのですか?
と聞いてみると、
「新入社員がポカミスしたりする
のですが、その上の社員が管理
できてないんですよ。
作業マニュアルは一応ありますが、
細かいところでミスをして、防止策
が甘いんです」とのこと。
そして、自分で自分をうまくいかない
ようにしている感覚とは、どういう
感じですか?と聞いてみたんですね。
すると、
「私が強く叱った後に、だいたい
辞めたいと言ってくる社員がいます。
最初は、ちょっと叱ったぐらいで
辞めたいと言い出す弱い奴は辞めて
しまえ!と思っていました。
それが何度も続き、また採用して
新人をイチから時間とお金をかけて
教育しても、またミスして叱って
辞めるを繰り返していたらキリが
ありません。
社員は頑張ってくれていると思う
けど、言われたことしかやらないし、
考える力がない。
何でそんなことも分からないんだ、
何でそんなこともできないんだ、
こんなポカミスをして、バカなん
じゃないか、と思う時もよくあり
ます。
そこで私は、社長は、この道、
数十年の達人ですけど、社員さん
は、やりながら仕事を覚えていく
こともありますからね、
と伝えると、Aさんは、
「お客さんにも、腹が立つというか、
悔しい気持ちになる時があるんですよ」
と言うので、どんな事ですか?
とお聞きしてみると、
「お客さんは、あちこち他社さんの
情報をネットや電話、訪問などで
調べているんですね。
なので、ウチの社員や私が説明
しても、
『そんなことはないはずです。
他社さんではこう言ってました』
と反論してくる人がいます。
そのため、『そんなうまい話なんか
ありませんよ、それは釣り話です。
ウチは正直だけが取り柄なのでウソ
じゃありません』
とお伝えしています。
でも中には、『いや他社さんでは、
こう言っていました!』と言い
張って全く聞かないお客さんが
いるんです。
なので、そういうお客には、その
信じている他社さんに行くことを
やんわりおススメしています。
お客さんは、自分が信じたいこと
しか信じないですからね。
そして、結局は、他社へ行って
『こんなはずじゃなかった~』と
困ってウチに助けを求めて来るんです
けど、既にお金を支払ってるので、
もうどうすることもできないんです。
それを何度も繰り返しているので、
なかなか分かろうとしない人は、
バカじゃないだろうかと腹立たしく
悔しいです」とAさん。
さらに、
「少し前、ある社長から協業したい
のでミーティングしたいと言われて
会社訪問した時、先方の内部連絡が
行き届いてなくて、ただの業者扱い
され、
『バカにしてるのかー!たとえ業者
だとしてもこんな扱いをする会社とは
協業できない!』
と怒りが込み上げてきました。
それらの悔しさやイライラ、本音
が、つい社員を叱る時に、強く
出てしまっているのかもしれません」
Aさんは、このような話しをして
くれました。
ところで、その悔しさを、Aさんは
いつ頃から感じているのですか?
と聞いてみると、
「私がこの業界に新入社員として
入った20代の頃ですかね」
とAさん。
確かに、その頃からあったと思い
ますが、もっと前に、同じような
悔しさがなかったですか?
と聞いてみると、
Aさんは、「う~ん」と考え込み、
少し表情が曇って、言いたく無さ
そうに、こんなことを教えてくれた
のです。
「子供の頃、家が貧乏で同級生や
近所の人からバカにされたり、
いじめられていました。
それがとても悔しくて、
『バカにした周りの奴らを見返して
やる!』と心に決めて勉強を頑張り
ました。
会社を起こしたのも、それが
大きかったです」とAさん。
そこで私は、ちなみに家が貧乏で、
というのは『周りの人たちよりも』
という意味ですよね?
ということは、劣等感の悔しさを
バネに、勉強も仕事も頑張って
こられたんですね、と伝えると、
「ああ、これは劣等感だったんだ、
あれから数十年経って、経営者
としても頑張ってきたので、劣等感
の悔しさは、もうてっきり無くなった
と思ってました」とAさん。
自分では、無自覚なだけで、子供の
頃の劣等感の悔しさが残っていた
んですね。
特に、『バカにした周りの奴らを
見返してやる!』という劣等感の
パワーは非常に強力なので創業時
はいいのですが、
軌道に乗っても、ずっとこの劣等感
のメンタルブロックを持ち続けて
いると、足を引っ張ることがあり
ます。
たとえば、無自覚に、周りを見下げ
たり、バカにしたり、押さえ付けたり
することがあるんですね。
これは、子供の頃、バカにした人たち
を見返したいという悔しさが、大人に
なった今でも、周りの人たちに仕返し
している状態です。
そして、自分の劣等感を感じたくない
ので、周りを下げて、自分を上げて
優越感を感じているとも言えます。
これを続けていると、劣等感の悔しさ
はさらに増大し、自分は周りよりも
劣っているという劣等感から、心理的
にうまくいかない状況を創り出したり
します。
また、無自覚に人を見下したり、
バカにして、周りの人を下げ、自分
を上げようとしてると、お客さんは
不快感を感じるので、いろんな理由
をつけて成約を逃すこともあります
よね。
社員さんも、やる気が無くなったり、
反発したり、辞めたいと言い始める
かもしれません。
さらに、この劣等感のメンタルブロック
を持っていると、なぜか人から見下され
たり、軽く扱われたり、バカにしてる
のかー!という劣等感の悔しさを感じ
させる状況を創り出すこともあり
ます、とお伝えしました。
それを聞いたAさんは、思い当たる
フシがあったようで、納得され
ました。
そのため、劣等感の悔しさの
メンタルブロックを解除することに
なりました。
セッション1か月後、Aさんから
こんな喜びの声が届きました。
以前だったら確実に、怒りが爆発
していた場面でも、悔しさやイライラ
が大幅に減り、心が穏やかになった
そうです。
それも影響してか、社員のミスや
トラブルも減ってきたように感じて
いるとのこと。
まだ、相変わらず、分からないお客
さんは、たまにいるそうですが、
それはその人が信じたいことを
信じているからであって、こちらの
問題ではない。
そのために、自分が悔しいとか
イライラする必要もないと思う
ようになったそうです。
以前も、頭ではそう思っていました
が、心が反射的に、怒りと悔しさで
イライラしていたんですね、
とのことでした。
ちなみに、あなたは劣等感の悔しさ
をバネに頑張っていませんか?
劣等感と言われても、なかなかピン
とこないかもしれませんね。
劣等感のメンタルブロックは、
様々なケースで作られます。
たとえば、子供の頃・・・
◆人よりも貧乏だった
◆人よりも病弱だった
◆人よりもできなかった
◆人よりも頭がよくなかった
◆人よりも運動ができなかった
◆人よりも大切にされなかった
(他の兄弟よりも)
◆人よりも愛されなかった
(他の兄弟よりも)
◆人よりも怒られていた
(他の兄弟・同級生よりも)
◆スポーツや受験で挫折した
◆人は両親がいるのに自分は
片親
(病気・事故・離婚など)
◆いじめられた
(人はいじめられてないのに)
◆家族に重度の病気の人がいた
(周りの人の家族にはいないのに)
◆家族に障がいがある人がいた
(周りの人の家族にはいないのに)
◆親が劣等感の悔しさを強く
持っていて、それを受け取った
などがあります。
ただし、必ずしも、この条件や
環境で劣等感のメンタルブロック
ができる訳ではありません。
また、できたメンタルブロックは
状況によって解消されていくことも
あります。
そこで、もしもあなたに、悔しさが
あったり、何だかおかしいな、
もしかしたら自分でうまくいかない
ようにしてるのでは?
そう感じることがありましたら、
劣等感の悔しさのメンタルブロック
がないか自分を見つめてみてくだ
さいね。
あなたがさらに自由になり、本来
の自分を取り戻し、さらにご発展
されることを願ってます。
セルフイメージコンサルタント
岡崎哲也
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