パワハラのメンタルブロック


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パワハラのメンタルブロック

 

パワハラ防止法(改正労働施策総合

推進法)が、2020年6月から

先行的に大企業に、

 

2022年4月から中小企業にも施行

されましたね。

 

あなたの会社は、大丈夫ですか?

 

以前、50代不動産会社の営業部長が、

成果は出しているけど、自分が満足

するレベルではない。

 

部下指導する立場なんだから、もっと

成果を出せるようになりたいと、

ご相談に来られました。

 

「スムーズに商談が進む時はいいの

ですが、お客様がハッキリせず優柔不断

だったり、質問が多過ぎて購入する気が

あるのか分からない場合、

 

こちらの親切心を逆手にお客様が要求

ばかりしてきたり、反論されると、

イライラが自分の顔の表情や態度に出て

しまい、商談を逃がす時があります。

 

もう少し大人の対応ができれば、成約が

増えるのではと思いながら、なかなか

そのクセが解決できないんです」

と教えてくれました。

 

また、

「部下が素直に聞き、すぐに指摘内容を

取り入れて改善すればいいのですが、

 

素直に聞き入れず、反発したり、動かなく

なる部下には、怒りが表情や態度、言葉

に出てしまい、それでさらに部下が委縮

してしまいます。

 

部下教育も、もう少し大人の対応ができ

れば、部下や組織の成果を上げられたり、

辞める部下を減らせるのでは、と思い

ながらも、なかなか解決できないんです」

と教えてくれました。

 

では、その営業部長のイライラ、怒りの

心のクセ、反応パターンは、どうやって

できたのでしょうか?

 

詳しくヒアリングしていくと、自覚し

始めたのは、課長に昇進した12年ほど前。

 

責任とプレッシャーが重くのしかかり、

常にピリピリするようになったそうです。

 

さらにその前を遡っていくと、小さい頃

より父親が強く、中学受験や高校受験など、

「なんでこのくらいできないんだ!

もっとできるだろうが!」

と厳しく教育されてきたそうです。

 

怒った父親は怖くて、言い訳や反発しよう

もんなら、怒鳴られ、ぶん殴られます。

 

そのため、

「現状の自分はダメなんだ、

今に見てろ、絶対に認めさせてやる!」

そんな気持ちを心のバネに頑張って

きたそうです。

 

その気持ちが強いため、ついつい自分

にも人にも厳しくなってしまうそうです。

 

父親のように、相手の言い分を聞かず、

支配的でコントロールしようとする

ことはしたくないと思っていましたが、

お客様や部下に、私がそれをやっている

んですね」と苦笑いしていました。

 

こちらの営業部長は、子供の頃のお父様

との関係を解消すると、部下育成や営業

の場面でのイライラも解決されました。

 

そして経営者から、幹部のセッションを

依頼されるケースがあります。

 

幹部本人は成果を出して優秀なのですが、

部下指導やマネジメントが厳しく、威圧的

で部下が委縮して活気が無くなっていたり、

辞める社員がいる。

 

その問題を解決したいと、幹部がセッション

を受けに来ることがあります。

 

こちらも、ヒアリングすると、親から厳しく

育てられたことが原因になっていることが

多くあります。

 

自分が子供の頃の、怒ったり、プレッシャー

を与える怖い親との関係を解消することで、

現在の自分が無自覚でやってしまっている

威圧的な部下指導の態度が解決される

んですね。

 

また、以前、50代製造業の経営者が、

こんなご相談で来られました。

 

「社員のレベルが低く、単純ミスを

繰り返します。

 

それを叱ると、社員はやる気が無くなり

動かなくなったり、反発します。

 

中には会社に来れなくなったり、退職

することもあります。

 

何度、社員を入れ替えても状況は

変わらず、いつもイライラしています」

とのこと。

 

これも、よくあるケースです。

 

こちらの経営者も、とても厳しい親だった

そうで、子供の時から常にプレッシャー

を与えられ続けたそうです。

 

そのため、同じく厳しい親との関係を

解消すると解決することが多いです。

 

もしかしたら、

「何を言ってるんだ。社員が単純なミスを

繰り返すから叱ってるんじゃないか!」

そう思うかもしれません。

 

もちろん、それもあります。

 

ただ、やはり組織はトップの心の状態が、

イライラ、ザワザワ、ピリピリして

いたら、そのまま大きな影響を与えて

いることが多いのです。

 

この3つの事例(営業部長、幹部、経営者)

の共通点は、親のパワーが強く、厳しい人

だったことです。

 

(母親が厳しい場合もあります)

 

では、なぜ子供の時の親との関係が

大人になってもそんなに影響する

のでしょうか?

 

そもそも子供は白紙なので、親の表情・

態度・言葉をそのまま吸収し、学びます

よね。

 

その子供は成長するにつれ、自分が

学んだやり方が普通だと思っているので、

そのように振る舞うのです。

 

また、親がパワー強くて厳しいと、その

子供も、パワーが強いことが多いです。

 

そのため、本人は、ちょっと怒っている

ぐらいのつもりでも、他の人にとっては、

強いプレッシャーや怖い気持ちを感じ

させることが多いようです。

 

たとえ、頭では、そんな事はしたくない

と思っていても、子供の頃に取り込んだ

学びの方が強烈なので、自制コントロール

が難しいのです。

 

それが、人によって、営業・セールス・

接客の場面や、部下教育の場面で出て

しまうようです。

 

(そのイライラは奥さんや子供の教育

に向けられることもあります)

 

ところで、ウチの会社は、パワハラは

やってないから【パワハラ防止法】は

大丈夫と思っているかもしれません。

 

ですがこれは、パワハラをやってる、

やってないに関わらず、「パワハラ防止

措置」をやってないと義務違反となる

可能性があります。

 

2022年4月時点では、パワハラ防止法

に違反した際の罰則はありませんが、

将来的には罰則が設けられる見通しです。

 

また、厚生労働大臣が必要と認めた場合

に、事業主に対して、助言、指導、勧告を

行うことができ、事業主が勧告に従わない

場合は、その事実を公表することができる

旨が定められています。

 

そしてパワーハラスメントの発生を放置

していると、従業員が事業主に対して

損害賠償請求の訴訟を起こす可能性も

あります。

 

具体的には、【パワハラに当たる6つの

行為】があります。

 

1.身体的な攻撃

殴る、蹴る、相手に物を投げ付けるなど

 

2.精神的な攻撃

人格否定、他の社員の前で大声で叱責、

大勢を宛先に含めたメール中で罵倒や、

解雇を匂わせる文言など

 

3.人間関係からの切り離し

1人の社員を集団で無視し、孤立させる

 

4.過大な要求

新入社員に必要な教育を行わないまま、

対応できないレベルの目標を課し、達成

できないことに対し、厳しく叱責。

 

また、業務とは関係ない私用な処理を

強制的に行わせる。

 

5.過小な要求

気に入らない労働者に、嫌がらせのために

仕事を与えない

 

6.個の侵害

労働者を職場外でも監視したり、個人情報

を本人の了解を得ず、他の労働者に暴露

する

 

これらは例示であり、パワハラを行ってる

本人が自覚なしでも、要件を満たせば

パワハラ認定される可能性があります。

 

企業が取り組むべき雇用管理上講ずべき

措置(義務)として、このような内容

があります。

 

1.事業主の方針等の明確化及びその

周知・啓発

従業員への意識の浸透、管理職への研修

の実施、就業規則へ盛り込むなど

 

2.相談に応じ、適切に対処するために

必要な体制の整備

相談窓口の設置、対処法など

 

3.事後の迅速かつ適切な対応

 

会社を守るためにも、職場のイライラ

や怒り、パワハラ防止措置、および

根本対策をおススメします。

 

 

セルフイメージコンサルタント

岡崎哲也

 

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