インナーペアレントのメンタルブロック解除
あなたは、人や自分に対して、できて
ないところや、ダメなところを厳しく
責めたい気持ちはありませんか?
もしかしたらそれは、子供の時に、
親に厳しく育てられ、親の価値観
を取り入れたインナーペアレント・
内なる親が影響しているかもしれ
ません。
以前、50代の経営幹部Aさんから、
「部下に、もっとできるようになって
欲しいと教育しているのですが、
たまに、部下が落ち込んだり、反発
したり、私を避けるようなことも
あります。
社長にも、もう少し叱り方をどうにか
できないかと言われていて、自分でも
気を付けているのですが、どうも
言い方が厳しすぎるようです。
このクセを何とか解消できない
でしょうか?」と相談がありました。
このご相談は、経営者や幹部の方
から、よくあります。
詳しくヒアリングしてみると、
「部下のできてないところ、良くない
ところが、目に付き、ちゃんとしろ!
と注意しています。
私にとっては普通だと思うのですが、
部下にとっては細か過ぎて、ダメ出し、
ねばならない、価値観の押し付けの
ように感じるようです」
とAさん。
たとえば、どんな内容を厳しく
言ってる感じですか?と聞いてみる
と、こんな感じだそうです。
●経費・時間・労力の無駄をするな
●このやり方は危ないじゃないか、
他の人がケガや事故を起こしたら
どうするんだ
●ゴミが落ちてるのに、なぜ
拾わないんだ
●部品を開封し梱包材を散らかしたまま
にして、なぜキレイに片付けないんだ
●どういう意味?
●意味が分かりにくい
●日本語の使い方が間違っている
●中堅社員が、自分のミスや失敗、
だらしないことは棚に上げて、部下
には偉そうな態度をしていると、
自分だってミスしたり、だらしない
ところがあるじゃないか、偉そうに
するな
などだそうです。
ちなみにそれは自分自身に対しても
厳しく言っているように感じますか?
と聞いてみると、
Aさんは、「あります」とのこと。
そのように厳しく言っているのは、
誰ですか?と聞くと、
「えっと・・・父親です。
子供の頃からずっと父親の教育が
厳しかったです」とAさん。
たとえば、どんな感じでお父さんは
厳しかったのですか?と聞くと、
●お風呂やシャワーに入って、なぜ
ボイラーのスイッチを切らないんだ
無駄をするな
●蛍光灯を付けっ放しで寝るな
無駄をするな
●ダラダラするな、シャキッとしろ、
ちゃんとしろ、ピリッとしろ
●時間に遅れるな、社会に出た時に、
時間を守れないと人の信頼を失うぞ
●言っている意味が分からない、
もっと分かりやすい言葉を使え
●何だ、そのふてくされた態度は、
注意されたり、叱られた時は、
素直に聞け
などなど、ことあるごとに細かい
ことまで、お父さんは、厳しい口調
でAさんをよく怒るというか、叱って
いたそうです。
「そういえば、私の叱り方が厳しすぎる
とよく周りから言われる内容と、父親
が私をよく叱っていた内容が似て
いますね・・・」とAさん。
そこで私は、このように
お伝えしました。
このメンタルブロックは、3つ要因
がありそうです。
◆お父さんに厳しく言われ続けた
刷り込み
◆お父さんの価値観を受け継いだ
◆インナーペアレント・内なる親が
厳しく言い続けている
そこで先に、お父さんの刷り込みと
価値観を受け継いだメンタルブロック
を外すセッションをした方がいいと
思うのですが受けたいですか?
と聞くと、それを受けたいとのこと
で、進めていきました。
約1か月後、
「前回のメンタルブロックのセッション
で、かなり軽くなりました。
ただ、もう少しまだあるような気が
するのですが・・」
と言ったんですね。
その、まだもう少しあるような気が
するとは、どんな感じでしょうか?
とお聞きすると、
「部下の叱り方は、だいぶ自制できる
ようになり、改善してきました。
そして、今まであまり気付かなかった
のですが、自分に対して、こと細かに、
ダメ出しして、批判しているような
感覚が少しあることに気付き始め
ました」とのこと。
「その自分に対して、ダメ出し、
批判してるのは、誰の声ですか?」
と聞いてみると、
「父親ですね」とのこと。
1回目のセッションで効果が出たので、
さらにその奥のモノが見えてきたの
ですね。
そしてインナーペアレント・内なる親
が影響してそうなので、前回、扱って
ない『インナーペアレント・内なる親』
のメンタルブロックを外すセッション
をやろうと思いますがどうですか?
とお聞きすると、
「インナーペアレント?」
と首をかしげるAさん。
なので、少し説明しました。
私たちの潜在意識・無意識には
『インナーチャイルド・副人格』
(子供の時に、分離した心の一部)
というものがあります。
◆インナーチャイルド・副人格に
ついては、こちらをご覧ください。
https://mentalt.jp/mentalblock-73
同時に『インナーペアレント・
内なる親』と呼ばれるものも
あります。
インナーペアレント・内なる親とは、
子供の時に、親の価値観を取り入れて
作られた親のイメージ像です。
そして、私たちの普段の生活の場面
でも、その親のイメージ像が、
こうした方がいいよ、こうしたら
ダメ、親の言うことを聞いたら
いい子ねと言い、
また別の場面では、そんなことしちゃ
ダメ、ああしろ、こうしろ、と親の
表情や態度、言葉を潜在意識の中で
自動再現しているのです。
もちろんそれは、ネガティブなこと
ばかりではありません。
子供の頃の親は、励ましてくれたり、
背中を押してくれたり、守ってくれ
たり、優しく受け止めてくれたり、
いい影響もたくさんあったと思います。
ですが、時として、厳し過ぎたり、
忙しくて構ってもらえなかったり、
話を聞いてもらえず理解してもらえ
なかったり、何かを疑われて信じて
もらえなかったり、
上から押さえ付けるような態度を
とったり、なぜ親の言うことが
聞けないのかと叩かれたことも
あったかもしれません。
それら全てが、親のイメージ像として
心の中に取り込まれて、生き続けて
いるんですね。
そして普段の私たちの生活の場面でも、
潜在意識・無意識の中で、あれこれ
口出しして影響しているのです。
時々、「親はもう他界してるので
関係ないと思います」と言われる方
がいますが、
子供の時に、取り込んだ親のイメージ
像なので、他界していてもご存命でも
関係なく、誰しもが影響を受けて
いますよ。
そしてインナーペアレントは、親だけで
なく祖父母など、子供の頃、育てて
くれた大人の場合もあります。
そう説明すると、Aさんは、ピンと
きたようで、
「あ、それ、分かります。
確かに、心の中に親がいますね」
とのこと。
そして、インナーチャイルド・副人格が
傷付いている場合、インナーチャイルド
を癒すことが重要だと、心理学では
よく言われています。
ですが、インナーチャイルド・副人格
を癒しても、インナーペアレント・
内なる親が厳しいままだと、
ずっとダメ出しや、厳しく責め続けたり
するので、インナーチャイルドがまた
傷付いて、苦しくなることがある
んですね。
よくメンタルブロックを外したのに
また元に戻った、効果が無いと言われる
のは、インナーチャイルドを癒して、
一時的に軽くなっているだけの場合
があります。
なので重要なのは、インナーチャイルド
を癒すだけで終わらず、次のステップ
として統合することです。
そしてインナーペアレント・内なる親
も厳しい親から、自分の理想の親に、
作り直す必要があります、
とお伝えすると、
Aさんは、
「え?そのインナーペアレントは、
作り直せるんですか?」
と少しビックリした表情に。
そこで私は、できますよ。Aさんに
とって、厳しい親だったかもしれない
けど、優しい一面もあったと思います。
あるいは、こういう時は、こういう
親であって欲しかったという理想の
親のイメージ像を使います。
すると厳しさが緩みますよ、
とお伝えしたんですね。
すると、Aさんは、
「へー、そうなんですね、その
インナーペアレントのセッションを
やってみたいです」
とのことでやっていきました。
すると、自分の中にあった厳しく
自分や周りをダメ出ししたり、
責める感覚が無くなったので、
部下の叱り方がさらに改善された
だけでなく、自分自身に対しても
自由になってとてもラクになったと
喜びの声を頂きましたよ。
ところで、あなたは、
●ねばならない
●べき
と思うことはありませんか?
この感覚も、『インナーペアレント・
内なる親』の影響の可能性が大きい
です。
そして5つの命令型メンタルブロック
(ドライバー・駆り立てるもの)も、
『インナーペアレント・内なる親』
と関係しています。
■5つの命令型メンタルブロック
1.完全でなければならない
ちゃんとしろ、現状で満足するな、
という意味も含まれ、裏返せば、
ありのままではいけない、という
意味も含まれています。
2.一生懸命努力しなければいけない
休むな、くつろぐな、満足するな、
という意味も含まれています。
裏返せば、心から休めない、くつろげ
ない、満足できない、状態になって
いる可能性があります。
3.他人を喜ばせなければいけない
自分よりも他人を優先しろ、という
意味も含まれています。
裏返せば、自分は人よりも重要では
ない、価値がない、という思い込み
につながる可能性があります。
4.急がなければいけない
休むな、自由であるな、という意味
も含まれています。
それによって、常に何かに追い立て
られているような感覚を持つ場合が
あります。
5.強くなければいけない
怒りや悲しみ、怖いなどの感情を
出してはいけない(感情の抑圧)、
人に弱さを見せてはいけない、
人に頼ってはいけない、という意味
も含まれています。
もちろん、これらが重なり合って
いる場合もありますよね。
このインナーペアレント・内なる親は、
部下だけでなく、取引先、友達、
そして子供を叱る時や、嫁さん・
パートナーに対しても、厳しくダメ出し
したり、責めたり批判的になる場合も
あるんですね。
この厳しいインナーペアレント・
内なる親のことを知らない時は、
自分に対しては何となく、
●見えない何かに邪魔されている
●見えない何かに責められている
●見えない何かに攻撃されている
●見えない何かに批難されている
などと感じている場合があります。
あるいは、頭の中で親がガミガミ
怒り続けているような感覚が
あるようです。
今回は、人にも自分にも厳しすぎる
お悩みでしたが、この
インナーペアレント・内なる親は、
さらに多方面に影響しています。
たとえば・・・
◆もし子供の時、父親が『バカに
した奴らを見返してやると思い
込んでいたら』、どんな親のイメージ
像がつくられて、自分にどんな影響
があるでしょうか?
◆もし子供の時、父親か母親の
どちらかが『病気がちだったら』
どんな親のイメージ像がつくられて
自分にどんな影響があるでしょうか?
◆もし子供の時、父親か母親の
どちらかが『大きな失敗や挫折を
して悔やんでいたら』、どんな親の
イメージ像がつくられて、自分に
どんな影響があるでしょうか?
◆もし子供の時、父親か母親の
どちらかが『興奮しやすく感情
コントロールできない人だったら』
どんな親のイメージ像がつくられて、
自分にどんな影響があるでしょうか?
◆もし子供の時、父親か母親の
どちらかが『自分には無理だ、
できないと何かをあきらめて
いたら』、どんな親のイメージ像が
つくられて、自分にどんな影響が
あるでしょうか?
◆もし子供の時、父親か母親の
どちらかが、『人や社会の目を必要
以上に気にして、いい人・親に見られ
ようとする人だったら』、どんな親の
イメージ像がつくられて、自分に
どんな影響があるでしょうか?
◆もし子供の時、父親か母親の
どちらかが、『不安が強い人だったら』
どんな親のイメージ像がつくられて
自分にどんな影響があるでしょうか?
◆もし子供の時、父親か母親の
どちらかが、『人は信用できないから
人を信用するな、とよく言っていたら』
どんな親のイメージ像がつくられて、
自分にどんな影響があるでしょうか?
他にもいろいろありますが、私たち
は、子供の時、育てられた親や環境
に多大な影響を受けていることが
分かると思います。
ところで、あなたは、人や自分に
できてないところや、ダメなところ
を厳しく責めたりすることは
ありませんか?
もしかしたらそれは、子供の時に、
親に厳しく育てられて、親の価値観
を取り入れて作られた、内なる親・
インナーペアレントが影響している
かもしれませんよ。
PS.インナーペアレントに近い、
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セルフイメージコンサルタント
岡崎哲也
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