■ 1.【ステージ0〜1:日常の違和感・痛みの自覚】
「これは正しいか、間違っているか」 「ちゃんとしなきゃ、完璧じゃなきゃ、100点じゃなきゃ意味がない」
常にトップを走り、高い成果を求められる経営者やリーダーほど、自分の中にこのような厳しい基準やルールの感覚がありませんか?
目標に対して80%〜90%の成果を出していても、自分が納得いかないと「なぜできなかったんだ!」と自分を徹底的に追及し、探求しまくる。
課題を解決して成長できるうちはいいのですが、世の中、すべての問題がすぐに解決するわけではありません。
いつしか、「完璧にうまくいく確証」が持てないと行動できなくなり、足踏みしてしまう。
さらに、その厳しさを無意識に取引先やビジネスパートナーにも求めてしまい、結果として自分を責めて苦しくなったり、人間関係のトラブルを抱えてしまう……。
もしあなたが、そんな「善悪・完璧主義」の檻の中で息苦しさを感じているなら、今からお伝えする事例を通して、ご自身の内側の構造をフラットに見つめてみてください。
■ 2.【心の痛みを紐解くセッション事例】
以前、50代の自営業者Aさんから、こんなご相談がありました。
(※許可を得て、本人が特定されないように加工してご紹介します)
「ビジネスは、何とか頑張っていますが、自分や人に厳しいところがあります。
これは正しい、これは間違っている、これはいい(善い)、これは悪い、ちゃんとしなきゃ、完璧じゃなきゃ、という基準やルールの感覚があります。
たとえば、目標達成 80〜90%でも自分が納得いかないと『なぜなんだ、なぜなんだ』と探求しまくります。
問題・課題を解決し、成長していくので、それでもいいのですが、何でもすぐに解決するわけではありませんよね。
時間や労力、お金がかかる場合もあるし、それが解決してうまく行くと思えないと、なかなか行動できないこともあります。
そのため、場合によっては、自分を責めて苦しくなったり、取引先やビジネスパートナーにも同じ基準・ルールを求めるので人間関係を壊すこともあります」とのことでした。
これが「善悪・完璧主義のメンタルブロック」かもしれないとお伝えし、Aさんはセッションを受けられることになりました。
セッションの中で、Aさんはご自身の内面のイメージをこのように教えてくれたのです。
「たとえば、毘沙門天という神様がいるじゃないですか。
あの毘沙門天には、鬼を踏み付けにしている仏像や仏画があるんですね。
ちょっと変なのですが、鬼を踏み付けにしている毘沙門天も、踏み付けられている鬼も、両方が何だか自分の中にいるように感じるんです」
私は、Aさんの内なる声に向き合いました。
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私:「では、Aさんの中にいるその毘沙門天は、今、何と言っている感じがしますか?」
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Aさん:「『私は正しい、完全な光・善だ。
悪はゆるさない』と言って怒りの表情で鬼をにらみつけながらグリグリ踏み付けている感じがします」 -
私:「では鬼は、今、何と言ってますか?」
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Aさん:「『苦しい、苦しい、僕は悪くない。
なぜこんな目に合わせるんだ』とギャーギャーもがいている感じがします」 -
私:「鬼がそう言っているのを聞いた毘沙門天は、何と言ってるのですか?」
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Aさん:「本当は、こんなことをしたくない。
……悲しい……涙が出そうです」 -
私:「こんなことをしたくないのに、どうして毘沙門天は鬼を踏み付けているのですか?」
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Aさん:「分からない……天の命令でやっている……」
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私:「ちなみに鬼は、僕は悪くない、なぜこんな目に合わせられるんだと言ってますけど、毘沙門天は、鬼をどう感じているのですか?」
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Aさん:「(語気を強めて)鬼は悪いです。
ちゃんとしてないのは悪い。
わがままを言うのも悪い。
だらしないのも悪い。
言ったことをやらないのも悪い。
忘れん坊なのも悪い。
いたずらするのも悪い」 -
私:「その悪い鬼とは、誰のことをいってるのですか?」
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Aさん:「(悲しい表情になり)……子供の時の私です……」
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私:「では命令している天は、何を意味してるのですか?」
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Aさん:「天は……たぶん、お父さんです。
お父さんが、ちゃんとしない子はダメだ、わがままを言うのは悪い子だと怒るから、私もちゃんとしない子はダメだ、わがままを言うのは悪い子だと言って子供の鬼を踏み付けています」
小さい子供は、お母さんに愛されたいとか、わがままを言って甘えたいとか、最初はちゃんとできないこともあると思うのですが、それは悪いことなのでしょうか。
Aさんに問いかけると、「確かにそうですね……悪くないですよね……」と気づかれました。
■ 3.【潜在意識の『利得』と、構造の反転】
そして、完全な光、善である毘沙門天は、本当は小さい子をいじめるようなことはやりたくないと言われました。
そこで、子供の鬼を踏み付けるのはもうやめて、毘沙門天には天に帰ってもらうことを提案すると、Aさんは同意してくれました。
イメージの中で毘沙門天に天に帰ってもらうと、Aさんは「ああ、これでもう子供の鬼を踏み付ける必要が無くなりました」と、ホッとした表情になりました。
しかし、ここでさらに深い潜在意識の構造が見えてきたのです。
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私:「では、踏み付けられていた子供の鬼は、今、何と言っていますか?」
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Aさん:「『僕は踏み付けられたままでいたかったのに……』と鬼は不服そうに言ってます」
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私:「あれ?どういう意味ですか?」
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Aさん:「『毘沙門天から踏み付けられて、苦しんでいたら、お母さんが助けに帰ってきてくれると思っていたのに……毘沙門天がいなくなったらお母さんが助けに来てくれないじゃないか』と怒りながら鬼が言ってます」
なんと鬼には、自分から毘沙門天に踏み付けられて苦しむ目的・メリット(心理学でいう“利得”)があったのです。
お父さんが厳しいから、実際にはお母さんは助けに来てくれない。
その悲しい現実にAさんは気がつきました。
「自分が踏み付けられて苦しんでいたらお母さんが助けに来てくれるという期待するのはもうやめて、自分が欲しい愛は自分で満たして成長・自立していく?」と聞いてみると、Aさんは少し時間を置いた後、「そうする……」と言われました。
子供の鬼が本当に欲しい愛を充分に自分で満たした後、成長・自立して、もう一度本来の役割として毘沙門天に来てもらい、子供の鬼を抱きかかえて、一緒に天に帰ってもらいました。
■ 4.【なぜ、頭で分かっても変われないのか?】
このケースは、潜在意識の中にいるインナーチャイルドや副人格が、毘沙門天と鬼のイメージ(メタファー)として表現されていたものです。
これが意識化されると、ブロックは非常に外しやすくなります。
この善悪・完璧主義のメンタルブロックは、小さい時、親が「これは正しい、これは間違っている、これはいい(善い)、これは悪い、0か100か、白か黒か」という価値観で、〇〇できたらいい子と褒められ、〇〇できないとダメな子、悪い子と厳しくされ、もっとできる、もっとできると高い基準・ルールを求められて育てられたことに起因します。
そのため、高い基準・ルールを、ちゃんとしないと、ちゃんとできないと、愛されない、認められない、見捨てられる、生きていけない、などの思い込みを持っていることがあるんですね。
子供の時は、それでも何とかなったのですが、大人になってもずっとこの思い込みを持ち続けているとどうなっていくでしょうか? これは正しい、これは間違っている、これはいい(善い)、これは悪い、0か100か、白か黒か、といった価値観・基準・ルールに縛られてその中間のグレー部分を認められなくなります。
子供の時の『ちゃんとしなきゃダメ』『ちゃんとできなきゃダメ』が、段々と『完璧にしなきゃダメ』『完璧にできなきゃダメ』に変わっていくんですね。
そして自分の経験値が増えるごとに基準・ルールもさらに高く、厳しくなっていくのです。
すると、その基準やルールを完璧にできない自分を責めて苦しくなったり、行動できなくなったり、相手の期待に応えないといけないと過剰に頑張って燃え尽きたり、自分の基準・ルールが最低限レベルだと言って、人にも求めるので人間関係のトラブルになることがあるのです。
そもそも「完璧にできない自分はダメ」は、「ありのままの自分はダメ」という究極の自己否定なので苦しくなるんですよね。
■ 5.【あなたの現在地を知るセルフチェック】
会社の先頭に立って、修羅場をいくつもくぐり抜けてきた優秀なトップほど、過去に経験した「正しさの基準」を麻痺させて自分を縛っています。
あなたの中に、日々の業務や人間関係を拒んでいる、隠れた善悪・完璧主義のパターンが眠っていないか、チェックしてみてください。
□ 「これは正しいか、間違っているか」「白か黒か」で物事をジャッジしがちである
□ 目標に対して80〜90%達成していても、納得がいかないと自分を激しく責めてしまう
□ ビジネスパートナーや取引先がルールを守らないと、猛烈にイラッとしてしまう
□ 完璧にうまくいくという確証が持てないと、なかなか次の行動に移ることができない
□ 「ちゃんとしていない自分」や「だらしない自分」を見せることに強い恐怖がある
今、ビジネスの現場であなたが感じている「どうしても動けない抵抗感」や人間関係の摩擦は、あなたの能力が足りないからではありません。
「完璧でなければ愛されない」と叫んでいる、内なる防衛システムの切実な救難信号なのです。
■ 6.【心を解放し、本来の自分へ戻るステップ】
● 鎧を脱いだとき、爆発的なエネルギーが自然に還ってくる
もちろん仕事の精度・質の基準・ルールを守ることは重要です。
正しい間違っているの基準が明確にある場合もあるので、それは、守る必要があります。
ですが、私たちが気付いてない潜在意識、無意識の中でも、これら善悪・完璧主義のメンタルブロックにとらわれて、無自覚の、〜べき、ねばならない、してはいけない、などに縛られて、身動きできなくなったり、苦しくなっていることがあるんですね。
事例でご紹介した経営者Aさんは、セッションを通じて、すべてを一人で背負って「正しさ」の足で自分を痛めつけていた当時の自分の痛みを100%受け入れ、ねぎらい、解放していきました。
「あの厳しい基準は、自分を奮い立たせるためのものだった。
今の私は、もっとフラットに、不完全さも受け入れながら楽しくビジネスを躍進させるステージにいる」
過去の記憶の捉え方が180度変わり、潜在意識が完全に安心したとき、Aさんからはおよそセッション1か月後、見違えるような晴れやかな笑顔で、素晴らしい報告をいただきました。
「仕事で自分の思い通りにちょっとでもいかなかったり、完璧にできないと自分の責任だと責めて苦しくなったり、仕事で動けなくなることがあったのが、それが無くなり、心身も軽くなって動けるようになりました!ビジネスパートナーや取引先にも、自分が思うルールや基準を守らなかったらイラッとして人間関係のトラブルになっていたことも改善されて、仕事がスムーズに進むようになったそうです。
自分を責める必要は、本当に無かったんですね!」
自分が苦しくなる方ではなく、ラクに楽しめた方が、自分も周りもより能力を発揮できるようになります。
世界は様々な問題において「分断と対立の二元論」で混迷しているように感じますが、まずは自分自身の内側にある「善悪の戦い」を終わらせ、すべてを包み込んで調和させていくことが、これからの時代に求められる真のリーダーの姿ではないでしょうか。
■ 7.【あなたの戦いを終わらせる分岐点】
自分や他人に厳しすぎて人間関係に苦手意識を感じてしまうのは、あなたのビジネスの才能がないからではありません。
「もう、正しさという檻の中で自分を追い込み、ボロボロになりながら成果を出したり周囲と衝突するステージは終わりにしよう」という、生き方とビジネスのステージが劇的に飛躍する大切なサインです。
ここから先、その心の自動ブレーキを優しく緩めていくルートは2つあります。
もし、今回の事例をヒントに、まずは自分のペースで過去の体験や「24種類の心のクセ」のパターンを整理していきたい方は、以下のステップを読み進めてみてください。
💡 じっくり自分で整理を進めたい方へ:「24種類の心のクセ」はこちら
もし、Aさんのように「頭では分かっても、どうしても自分を責めるループから一気に抜け出し、本来のクリアな思考と、自然体で溢れ出る爆発的なエネルギーを今すぐ取り戻したい」と感じる方は、まずは安心して本音を話せる個別の場へお越しください。
私の行う心理コンサルティング(セッション)は、あなたの人間性をジャッジしたり、トップとしての資質を責める場所ではありません。
お預かりした個人情報やセッション内容は厳重な守秘義務のもとで守られますので、周囲に弱音を絶対に漏らせない立場のある方も、どうぞ100%の安心感と共にお話しください。
ところでこれを読んで、あなたの心の奥の『陰の自分、悪の自分、闇の自分、影の自分』インナーチャイルド、メンタルブロックは、何と言ってそうですか?
誰が良い悪いではなく、あなたの脳の絡まりを優しく、フラットに解きほぐしていく空間を用意して、あなたからのメッセージをお待ちしています。
セルフイメージコンサルタント
岡崎哲也
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