経営者のメンタルトレーニング 部下を叱れない


あなたは、部下を叱らないといけない

時、叱れないことはありませんか?

 

社長・経営者、幹部の方から、

『部下を叱りたいのに叱れない』

というご相談を受けることがあります。

 

少し前、50代経営者Aさんから、

「部下を叱ろうとすると、なぜか

止める気持ちがあって叱れないんです」

というご相談がありました。

 

詳しく聞いてみると、

「コロナ後、部下も仕事で苦労してる

と思うけど、お客さんに迷惑を

かけたり、会社の信用につながる

ことや、同じミス・失敗を繰り返した

時、叱ろうとするけどなぜか

叱れない。

 

叱ったとしても、自分が本当に

言いたい事が言えてない感じが

する」とのことでした。

 

「今までは、どうされていた

のですか?」と聞くと、

 

「抑えながら叱っているので、納得

する部下指導はできていません。

 

そんな自分にイライラすることも

多いです」とのこと。

 

「では部下を叱ろうとした時、心の

中でどんなことが起きていますか?」

と聞くと、

 

「何というか・・・胸の奥がチクチク

痛みます。胸の奥にナイフのような

ものが突き刺さっている感じがします」

とのこと。

 

そして、

「そのナイフが胸の奥に突き刺さった

切っ掛けは、どんなことがあった

のでしょうか?」と聞くと、Aさんは、

こんなことを語り始めたんですね。

 

それはAさんが、その会社に入社

5年ほど経った20代後半の頃。

 

重要なプロジェクトを任され、部下

と客先プレゼンに行った時のこと。

 

朝9時の客先待ち合わせ時間に

部下が来ていません。

 

Aさんが作ったメインのプレゼン

資料とは別に、客先から依頼されて

いたデータ資料は部下が作成して

いたので困っていました。

 

客先担当者とその上司は、徐々に

そわそわイライラし始めます。

 

Aさんは何とか時間をかせぎ、やっと

部下が到着したのは30分遅れ。

 

先にプレゼンを始めていたAさんは、

ほっと安心したと思いきや、部下が

担当したデータ資料は、前日の夕方、

Aさんがチェックして指示した内容が

修正されてなかったのです。

 

それにもかかわらず、部下はムスっ

として態度が悪い。

 

プレゼン後、Aさんは、その部下を

かなり強く叱ったそうです。

 

「お前に責任感はあるのか!

俺たちは、会社を代表して客先に

行ってるんだぞ。30分も遅刻して!

 

しかも指示していた資料も修正して

ないし、それになんだ、あれは

お客さんの前でする態度か!(怒)」

 

部下は、うなだれたまま、反論

しませんでした。

 

翌日、Aさんは、上司の課長と社長

から別室に呼び出され、その部下と

何があったのか聞かれました。

 

そこで状況説明したところ、

「事情は分かった。だとしてもお前は

部下に強く言い過ぎだ」

と2人からAさんが強く叱られた

そうです。

 

「ちょっと待ってくださいよ。

なぜ私が叱られなきゃいけない

んですか!納得できません」

とAさんは、反論しましたが、上司は

聞き入れませんでした。

 

「その部下が私から叱られて、会社

を辞めたいと上司に言ったからです。

 

あの時、私の胸の奥にナイフの

ようなものが突き刺さって、部下を

叱ろうとするとチクチク痛むんです」

とAさん。

 

そこで私は、Aさんに聞いてみました。

「その刺さっているナイフは、何を

意味しているのでしょうか?

 

ナイフは、何と言ってるのですか?」

 

するとAさんは、

「叱ったらダメだと言っている感じが

します」と教えてくれました。

 

「そうですよね。再度、胸の奥をよく

見てほしいのですが、もっと昔から

突き刺さっているナイフのような

ものはありませんか?」

と聞いてみると、

 

しばらくして、

「あ、あります」と、少しビックリ

した表情のAさん。

 

「それは、いつ頃に刺さった感じが

しますか?」と聞くと、Aさんは、

こんなことを教えてくれたのです。

 

小学校低学年の頃、2歳下の弟と

遊んでいた時、ゲームに負けた弟

がヤケクソになってAさんに物を

投げ付けたり、つかみかかって

きたそうです。

 

そこで、弟にやめろ!と言っても

聞かなかったので、大喧嘩に

なったとのこと。

 

その夜、父親から、

「お前がお兄ちゃんなんだから、

なんで我慢できないんだ!」

と問答無用でゲンコツされ、かなり

強く叱られました。

 

「先に手を出したのは弟なのに、

なんで僕が怒られなきゃいけないんだ。

悔しい、本当に悔しい・・・

 

その時に、胸の奥にナイフが突き

刺さった気がします」とAさん。

 

「その時に、弟に怒りたくても

怒ってはいけない(叱りたいのに

叱れない)という思い込み、

メンタルブロックを持ったんですね。

 

ちなみにこのナイフは、胸の奥に

突き刺さったままでいい感じですか?」

と聞くと、

 

「いえ、何とか取り除きたいのですが、

どうすればいいのか分からないんです」

とのこと。

 

「分かりました。では、そのナイフを

取り除きましょう。

 

その胸の奥に突き刺さっているナイフ

はイメージだと思うのですが、

 

同じようにイメージの自分の手で、

そのナイフの取手を握れますか?」

と尋ねてみると、Aさんは、

どうすればいいか分からないと

答えます。

 

「では私もサポートするので、一緒に

ナイフの取手を握りましょう。

 

イメージで、私がAさんの手を握る

ので、一緒に胸の奥に刺さっている

ナイフの取手をつかんでもらえ

ますか?」とお伝えしました。

 

すると、

「はい、何とかつかめた感じが

します」とAさん。

 

「では、一気に引き抜くと、痛みが

強く出る可能性があるので、ゆっくり

引き抜いていきますよ。自分のペース

で構いません。

 

私も手を添えていますから、安心

してください」とお伝えしました。

 

すると、Aさんは、自分の内側を

イメージする集中モードに入って

いきました。

 

そして少し時間をおき、大きな

ため息をつくと、

 

「やっと抜けました!

 

引き抜いたナイフを地面に落としたら、

カランカランと金属音がしましたよ。

 

イメージのナイフなのに、こんなこと

があるんですね」

と晴ればれとした表情で教えて

くれました。

 

 

「改めて、部下を叱ろうと思って

みてもらえますか?

今、ナイフや痛みは感じますか?」

と聞くと、

 

「いえ、ナイフは見当たりません。

痛みもないです。不思議ですね~」

とAさん。

 

その後、Aさんは部下を叱ろうと

思った時に、自分が思ったように

叱れるようになったそうです。

 

そのことによって、叱りたいのに

叱れないことでの、自分へのイライラ

のストレスが減り、また、組織も

引き締まり、部下の失敗・トラブル

発生も改善されてきたため、

 

Aさんは、さらに会社経営に集中できる

ようになったと教えてくれました。

 

 

ちなみに、このメンタルブロックを

外すセッションの会話だけ読んでも、

なぜそんなことでイメージのナイフ

が引き抜けるのか?と疑問がわくかも

しれません。

 

通常、私たちは、胸の奥にナイフ

が突き刺さっているイメージや

感覚は、なかなか感じとれない

かもしれません。

 

よほど瞑想や禅、内観などの

メンタルトレーニングや、自分を

見つめることをされてないと

感じ取れないと思います。

 

なぜなら、胸の奥に刺さっている

ナイフのイメージなどの

メンタルブロックは、無意識・

潜在意識にあるため、普段の意識状態

と脳波の周波数が違うからです。

 

そこで、セッションでは、クライアント

さんの無意識・潜在意識にアプローチ

しているため、脳波も通常のベータ波

からアルファ波やシータ波となり、

クライアントさんは、無意識の

イメージが浮かびやすくなるんですね。

 

それによって、よりイメージのナイフ

やメンタルブロックなどを感じとり

やすくなり、ナイフの取手を握って

引き抜きやすくなるのです。

 

それは、自分の見たいテレビの

チャンネルに合わせると、その

チャンネルのテレビが映るのと

同じです。

 

ところであなたは、もし部下を叱ろう

とした時、叱れないとしたら、心の

中でどんなことが起きていますか?

 

普段、なかなか気づかないイメージ

や感覚が浮かんできたら、それが

解決の第一歩となりますよ。

 

セルフイメージコンサルタント

岡崎哲也

 

 

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