あるトップ保険営業マンのメンタルブロック
数年前、知人に連れられて、ある
経営者勉強会に参加した時のこと。
約１０名ほどの参加者の中で、
５０代後半ぐらいのリーダーの
ような方が、「私の自己紹介を
かねてこの動画を見てください」
と言ったんですね。
動画が始まると、８００～１０００人
ほどの会場を埋め尽くす聴衆の中、
そのリーダーの方がスピーチして
いる映像が流れてきました。
その方は、今は経営コンサルタント
として全国を飛び回っているのですが、
以前、某大手保険会社の営業で
数年間、日本一だったそうです。
どんなお客さんだとしても、契約が
とれる必勝パターンができあがって
いて、
面白いように契約が取れるので
笑いが止まらなかったそうです。
それも最初、どんなに嫌がられ
たり、難しそうなお客さんや社長が、
自分が本気の営業トークを始めたら
最後には、涙を流しながら手を
合わせて感謝しながら、契約書に
ハンコを押すと言うのです。
本当かいな？と思いますよね。（^^）
ですが毎回、そうなると言うのです。
その営業の必勝パターンは、
自分の営業トークが始まると、
自分の中でスイッチが入り、役者
みたいになって、気が付くと
お客さんが感動でプルプル
震え始めるそうなんです。
すごいですよね。
その営業トークを、実際に自分の
目で見てみたいと思いました。
ですが、いつでも誰に対しても、
そのように契約が面白いように取れ、
高額月収をもらうトップ営業が
続き、その後、どうなっていった
と思いますか？
その方は、
「保険営業？そんなのチョロい
もんよ」と思うようになって
いったそうです。
そして内心、お客様が、ただの
“お金の札束”としか見えなくなって
いったそうです。
それを数年間、続けていくと、
いつしか心の中で、
「何か違う、何かが違う・・・」
と感じ始めたようです。
ですが、仕事だし、いつものように
契約をガンガン取ってくるのを
当然のように続けていました。
営業の必勝トークを始めると
お客様が涙を流しながら高額契約
する。日々。
心の中では、
「何か違う、何かが違う・・・」
と感じながら。。
そして、いつしか頭の中で
カラカラカラ、といった変な音が
聴こえ始めたそうです。
「何だろう、この音は・・・」
何か自分の頭の中の歯車が合って
ないような感覚を感じるように
なってきたそうなんですね。
ちょっと疲れているんだろう。
毎日、頑張り過ぎてるのかな。
「少し休んだら、そのうち、頭の中
の変な音は聴こえなくなるだろう」
そう思って、休んでみたけど、なかなか
その音は消えません。
おかしいな、どうしてかな？
病院に行っても、原因不明としか
言われない。
不思議に思っていたら、
ある朝、身体が全く動かなくなり、
起き上がれなくなったそうです。
最初は、体調不良で休みをとったり
できました。
ですが、そんなにいつまでも休める
わけがありません。
重い身体を引きずって、お客様の
ところに行こうとするけど、なかなか
動けない。
身体が苦しい、約束の時間に遅刻
する、約束の時間を間違える、
ミスが多発する、お客さんを怒らせて
しまう。
そして契約を解約される。
そんなサイクルが続き、本当に仕事が
ダメになってしまったそうです。
するとどうなるか？
今まで数年間、毎月、トップ営業
だった人です。
契約数を下げるのはプライドが
許せません。
そんな気持ちから苦肉の策として、
自分のお金で、架空の契約書を作り、
維持していったというのです。
ですが、それもすぐにお金が
つきてきます。
やはり会社の評価や、他の営業マンたち
周りの目が気になります。
すると、今度は、カードローンを
使って、架空の契約書で維持して
いったそうです。
家族は、誰もそのことを知りません。
毎朝、普通に出勤して夜には帰宅。
家では奥さんや息子さんに、
普通の父親として振舞う毎日。
心の中では、
いつバレるだろうか？
これは夢であってほしい。
いやこれは夢に違いない。
と、思いながらも、本当に
心が苦しい。
そして、いよいよ限界の日が
きました。
家族に真実を伝えなければいけません。
「家庭が崩壊するかもしれない・・」
そんな恐怖に耐えながら、家族会議
を開いて真実を伝えます。
首をうなだれ、こんな自分が情けない、
偉そうに振舞って、何が父親だ、
何がトップ営業だ、
家族に謝り続け、そして自分を
責め続けたそうです。
そして家族に打ち明けた後、
最終的に、奥さんや息子さんから
「それでも私たちのお父さんだから・・・」
と受け入れてくれ、本当に心が
救われたそうです。
そこから、家族に支えられながら
仕事に復活していきました。
「そんな自分と同じような苦しみ
を味わってもらいたくない」
と今は、経営コンサルタントとして
全国を飛び回っているそうです。
とても壮絶な人生とすごい経験を
されている方だと思いました。
それと同時に尊敬の念が湧いて
きたのでした。
ところでこの動画のストーリー
を見た時、ピーンときたんですね。
そこまでならなくても済んだ
のではないかと。
なぜなら、今まで私の
メンタルブロック解放コンサルティング
を受けた方が、時々、言うことに
共通点があったからです。
心の中のもう１人の自分は、
お客様にとって保険の契約は
とても大事なことで価値あるだと
分かっている。
だけど、自分ではない自分を演じて、
売れるテクニックに偏ってしまい、
お客様を“お金“にしか見えなくなった
自分が、
本来の自分と“かい離”したのでは
ないかと思うんですね。
心の中で、
「何かが違う・・何かが違う・・」
と感じ始めていたのが、初期段階。
そして頭の中で、カラカラ、音が
聴こえ始めたのが中期段階。
そして、身体が動かなくなってしまう。
まともに仕事ができなくなる。
お客様との約束日時を間違えたり、
ミスが多発する、解約が増える。
契約が取れなくなる。
なのに、会社の評価や周りの目、
プライドからカードローンに手を
出してしまう。
ここが末期段階ですね。
元々、その方は、もっと純粋にお客様
のためを思って営業していたはずだった
と思います。
これは、ほんの紙一重ですよね。
そこまでなってしまうのと、
ならないのでは。
一歩間違えば、誰だってそうなっても
おかしくはありません。
仕事には、責任感や厳しさがあり、
自分の甘さや弱さを見せてはダメだ
と思っている人は多いと思います。
お客様や取引先、社員を喜ばせる
ために、おちゃらけしたり、ピエロ
を演じることもあるでしょう。
先生業・士業の方などは、先生らしく
模範的でないといけないと思い、融通
も柔軟性もきかない状態になっている
方もいるのではないでしょうか。
以前、何度か同様の相談を受けた
ことがあります。
その線引きが、どこまでは安全領域
で、どこからは危険領域という
線引きが分からないからです。
バリバリ成果を出されている方ほど
そんな落とし穴に陥ってしまう
可能性があるようです。
ところであなたは、心の中の
もう１人の自分と仲良くして
いますか？
心の中のもう１人の自分を無視し
続けると、心理的抵抗が強くなり、
取り返しがつかなくなることが
あるんですね。
この元トップ営業の方は、ギリギリの
ところで家族に受け入れられ、支え
られて、復活できました。
ですが中には、こんなことまでに
ならないといけなかったのだろうか？
と思う人さえもいます。
そして、これはあなたがたとえ
営業職でなくても無関係では
ありません。
自分の身体が悲鳴を上げてるのに
過度なハードワークを続け、
大きな病気や事故となってしまう。
社員に頻繁にキレて、社員が辞めて
いき、会社の雰囲気が悪化、人材不足
で苦しくなる。
家族を犠牲にしたり、ストレスを
家族にぶつけることから、家庭崩壊、
などなど。
ただ、自分ではなかなか気づきにくい
のが、難しいところなんですね。
自分では間違っていると思って
ないし、家族のため、社員のため、
自分の信念のため、当たり前と
思っています。
ですが、もし自分の心が、何か
違和感を感じ始めたら、
心を静め、自分と対話し、本来の
自分を取り戻す心のメンテナンス
の時間を大切にしてくださいね。
そして、自分では気づかない、
あるいは気付いてもどうしようも
できないと感じた時には、
私に声をかけてくだされば、
お役に立てると思います。
お客様から、岡崎さんのセッション
を受けなかったら、今ごろ、
どうなっていたか分かりません、
と喜びの声を頂いています。
ちなみにメンタルブロックは最新の
心理学では、２４種類に分類され、
それがどのように作られ、どのように
解除するのかまでが既に分かっています。
２４種類のメンタルブロックの詳細は、
こちらをご覧ください。
セルフイメージコンサルタント
岡崎哲也
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